はじめてのクラウドERP検討

クラウドERPの導入

中堅企業、スタートアップにまで普及するクラウドERP

経営層からの指示、ビジネスの変化に伴う既存システムの機能不足、既存システムの老朽化やサポート切れ、情報システム部門のシステム戦略の遂行など、企業によってトリガーは様々ですが、情報システム部門は基幹業務システムの刷新を検討することがあると思います。

最近はクラウドERPの普及により、莫大なコストをかけて大企業のみが導入するものではなく、これまでERPとは縁のなかった企業も、ERPを導入するケースが増えています。スタートアップ企業では、はじめての業務アプリケーションとして、クラウドERPを検討する事例もあります。

情報システム部門も未経験の状態で、ERP導入プロジェクトを推進する役割を担うといった状況が生まれています。

本記事では、情報システム部門の悩み事について整理します。

情報システム部門の悩み事

担当者の悩みは、企業によって多岐にわたります。企業規模や導入スコープにっても様々ですが、ここでは代表例として5つのポイントをあげます。

  1. コストとリターンのバランス:
    • ERP導入には初期導入コストだけでなく、毎月のランニングコストが発生します。クラウドの普及により、初期導入時のサーバーの準備等はなくなりつつありますが、クラウド利用料、パッケージライセンスなど、利用する限り永続的に発生するランニングコストを含めて、導入コストと導入後の効果を精査する必要があります。特に中小企業では予算の確保が課題となることがあります。
  2. 業務への影響:
    • ERP導入により業務プロセスが変化することから、従業員の業務への影響が懸念されます。また、既存システムからERPシステムにデータを移行する際には、データの整合性や品質を確保し、業務の継続性を担保する必要があります。業務の停滞や混乱を最小限に抑えるための計画が必要です。
  3. 適切なシステムの選定:
    • 市場には多くのERPベンダーとシステムが存在し、どのシステムが自社のニーズに最適かを選定するのは難しいことがあります。また、ビジネスは常に変化をしていますので、導入後のカスタマイズや拡張性も考慮しなければなりません。
  4. 導入期間とリスク:
    • ERP導入には時間がかかる場合があり、導入期間が長引くというリスクがあります。また、導入中に予期せぬ問題が発生し、プロジェクトの遅延や予算超過が懸念されます。
  5. 従業員の抵抗やトレーニング:
    • 新しいシステム導入に伴い、従業員の抵抗や不安が生じることがあります。特に、顧客や仕入先が関連してくる業務や機能については、影響が社外に及ぶ可能性もあります。システムの使い方や操作方法を学ぶためのトレーニングや教育プログラムの実施も課題です。

これらの悩みを解決するためには、情報システム部門は、経営層、業務部門、顧客や仕入先の業務・システムの担当者、ERP導入ベンダーなど、多くのステークホルダーと綿密な連携が求められます。ERPは幅広い業務範囲をカバーしますので、個別アプリケーションの導入は違った活動となります。

事業会社に所属している場合、ERP導入プロジェクトに慣れていないのは当たり前です。必要に応じて外部の専門家やコンサルタントに、情報システム部門としての立ち回りについてアドバイスを受けることや、ERP導入ベンダーの他社の導入事例や成功事例を参考にすることは、経験不足を補う上で有効です。

ERP導入プロジェクトは、同じパッケージであっても企業ごとに異なりますが、十分な準備と計画的な導入プロセスにより、悩みやリスクを最小限に抑えることが可能です。

本サイトでは、ERP導入を推進する上で参考となる情報を少しずつ記事にしていく予定です。
引き続き、よろしくお願いいたします。

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